報告:長野正和
7月15日(水)、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)の全面協力のもと、横浜市鶴見区のNISMO事業所にて勉強会を実施しました。

参加メンバーは高橋二朗理事長、谷川潔副理事長、高橋アキラ事務局長、有富誠一郎会員、飯塚昭三会員、奥山文彦会員、長野正和会員、廣本泉会員、吉田知弘会員の9名。
テーマは「日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)の会社紹介」、「NISSAN/NISMOのモータースポーツの歴史と現在の取り組み」、「GT500よもやま話」の3つで、同社のチーフモータースポーツオフィサーであり、SUPER GT GT500クラスの日産系チーム総監督である木賀新一氏により説明がなされました。

SUPER GTの日産系チーム総監督を務める木賀新一氏による丁寧な講義が聞けた。木賀氏は日産時代可変圧縮比エンジンを開発している。
木賀監督による自身の経歴紹介に続いて行われた「会社紹介」では、まずは直列6気筒エンジンをモチーフにデザインされたNMC本社社屋と、2013年に鶴見に新設されたNISMOの社屋外観がスライドが示されました。
現在、社員数は正社員600名、契約社員が20名ほどで、その内の100名強がNISMOに勤務しているとのこと。株主である日産自動車の100%子会社で、組織としてモータースポーツ事業部、カスタマイズ事業部、経営戦略部の3つの事業部制が敷かれ、2008、2009年あたりからは業務の海外展開を始めたことなども順に説明されました。
「モータースポーツの歴史と現在の取り組み」については、1936年から現在までの活動の略歴が紹介されました。NISSAN/NISMOは数多くの勝利を収めていますが、意外な数字として、世界選手権でのタイトル獲得が2010年のFIA GT1世界選手権と、2024/2025シーズンのFIAフォーミュラE世界選手権の2度のみであることも明かされています。
さらに、フォーミュラEとスーパーGTを頂点としたモータースポーツピラミッドや現在のGT500チーム体制、GT3やGT4でのカスタマーレーシングの現状についても解説。
2010年代のWEC LMP2クラスで無類の強さを見せた「VK45DE」エンジンに続き、2028年の規定変更に合わせイギリス・ギブソン社と共同でLMP2用の新V6ターボエンジンを開発中であることも語られました。

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最後のテーマ「GT500よもやま話」では、
「①GT500車両概要(共通部品と各社開発部分)と主要規則」
「②スタイリングはどう決まる? スケーリングの仕方」
「③エアロの自由開発部分(フリックとラテラル)とその狙い」
「④GT500エンジン(共通ターボ+共通ECU)の出力向上のポイント」
「⑤燃料 昨年までのCNFと今年のエネオスE10の違い」
以上の5つの項目に分けて説明がなされました。
2019年からのDTM CLASS1規則概要から遡り、コモンパーツ、開発可能領域、エアロダイナミクス開発自由度部分の紹介に加え、理解できているようで正確な把握が難しいGT500車両のスケーリングについても解説。

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また、規則の変遷と燃焼改善に向けて近年採用されたプレチャンバーの仕組みと効果についてなど、エンジンの詳細も分かりやすく説明されました。

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チーム側から語られる機会が少なかった新規採用のE10燃料については、昨シーズン(2025年)まで使用されていたカーボンニュートラル燃料やガソリンとの精製方法の違い、出力比較なども具体的な数字をベースに明示され、やはり話題となったエンジンオイルの希釈率の違いなども明かされるなど、1時間30強の座学はあっという間に終了。

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続いてNISMO事業所内の見学もあり、ファンも来訪可能なショールームに加え、工作室、エンジン組み立て室、エンジンベンチ室、レースカー整備場などを木賀監督による案内で巡ることもできました。

その後、ご協力いただいたNMCの皆さまに感謝の意を伝えて解散。サーキットにおいては取材慣れしている会員にとっても初めて見聞きする内容が多く、非常に充実した勉強会となりました。
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